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曖昧なWebの世界

Webはこの10年でいったいどれくらい進化したのだろうか?10年前と比べても,より高品質な画像や映像が配信できるようになったぐらいで,特に大きな進化は感じない.たしかに,ブログの登場によってメタデータ配信と言う流れが出来てきたのは大きな違いかもしれないが,それでも,Apacheにおかれているhtmlデータを拾ってくるという状況は変わっていない.つまり,この10年間サーバの性能は数100倍になったはずなのに,動的なページが限定的にしか使われていないという状況は変わっていない.

もしも,サーバリソースが十分に余っているのならば,MovableTypeのようにWebページをわざわざ静的なHTMLに変換するといった小細工をする必要は無く,動的に変換すればいいはずだ.

この原因を考えてみると二つ考えられる.一つはネットユーザ数の増加で,二つ目はブロードバンドコンテンツの増加による転送量の増加だ.しかも,この二つの増加量はともに指数関数的な増加である.このため,いくらサーバが高性能化してもサーバリソースが余るという状況は発生しない.さらには,常時接続におけるネット利用時間の増加と,ここ数年のCPUの高速化の鈍化も寄与していると考えられる.

しかしながら,この状況はいつまでも続くとは思えない.少なくとも日本におけるネットユーザ数はそろそろ頭打ちであるだろうし,十分な品質での画像や映像が配信できるようになれば(急激なディスプレイの高精細化がなければ),急激な転送量増加は必要ない.しかしながら,サーバCPUはマルチコアやメニーコアといった方向に向かい,単位時間当たりの処理量(スループット)は今後も順調に向上していくと考えられる.つまり,転送量の増加が頭打ちになった時点で,急激にサーバリソースが余り出す時代が来ると考えられる.

そういう時代がくると,動的なWebページというものがより安易に用いられるようになる.Webページは個人化され,よりインタラクティブに,時間と共に情報が変化していく世界になる.分かり易くいえば,Web上の全てのページがMixiのようになり,アクセスする人や時間によって情報は刻々と変化する.

これは一見とてもいいことに見えるが,必ずしもそうではない.現在のWebは混沌として複雑怪奇な世界であるのにも関わらず,URL(Permalink)のおかげでかろうじで秩序を維持しているのだ.ちょっと考えれば分かるのだが,見る人やアクセスするたびに情報が変わる世界では意味を持たない.なぜってリンク先の情報が見る人によってぜんぜん違ったら,ハイパーリンクの意味をなさないからだ.だれもが等しく情報にアクセスできるのがWebの利点であったはずなのに,その利点すら失いかねない.

動的なWebページというのは大変便利で革新的であるものの,使い方を一歩間違えればこのような曖昧なWeb世界になってしまう.情報理論を用いて説明するとするなら,情報源から発生する情報が通信路(人)によって得られる情報が変わると言うことは,情報を受け取る側にとって元の情報を推定することが困難になり,それはすなわち情報量の低下であり,情報の信頼度を大きく低下させ,Webそのものの世界を崩壊させてしまうのではないかと,今からすこし心配である.

※過去のブログからの転用です.一部修正.
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by mayasuke | 2006-02-01 22:41 | Web2.0

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